運動会の撮影にお勧めのカメラ設定例【初級編】

運動会の撮影にお勧めのカメラ設定例【初級編】

当店がある川崎市中原区では5月に運動会を実施する学校が結構あります。今回は運動会を前にせっかく一眼レフカメラを買ったのにオート以外の設定で使ったことが無い、というような方を対象に運動会撮影時のカメラの設定例についてご紹介させていただきます。

運動会撮影時のカメラの設定について

この記事を書いた背景

そもそも何故このようなテーマを今? と思われるかもしれませんが、先日見た光景により当店も微力ながら初心者の方にカメラの設定方法例を知っていただくことでもっと楽しく撮影していただく参考になれれば、と感じた次第です。

先日見た光景とは学校のあるイベントで1人のお母さんがイベント風景を撮影したところ、カメラのフラッシュが自動で光ってしまいました。そのお母さんはイベント中に意図せず光ってしまい、ビックリしていました。しかしまだ写真を撮りたいので片手でフラッシュがポップアップするのを押さえながら撮影を続けようとされていました。

皆さんはこの状況を聞いてどう感じるでしょう?

カメラの設定をご存知の方は対処方法もすぐわかるかと思いますが、いつもフルオートの設定で撮影されている方には対処が難しいのかもしれません。この光景を見て一眼レフカメラをより楽しく使うために、オート以外の撮影モードでの撮り方やシーン別設定例等を微力ながらお伝えしたい、と思いこの記事を書くことにしました。

今回のストロボをoffにする、という方法は機種によって変わると思いますが、撮影モードをP(プログラム)やTv(シャッタースピード優先)、Av(絞り優先)にすると自動では光らなくなります。時間がある時に自動で光る撮影モードと光らないモードを確認しておくと良いと思います。またカメラの設定でフラッシュの発行offという設定があればそこをoffにしても良いと思います。逆に撮影モードP等でフラッシュ発行させたい時は手動でフラッシュをポップアップさせると光ります。手動ポップアップのボタンがカメラに付いていると思いますのでこれも事前に確認してみてください。

※撮影モード名等、キヤノンのカメラを前提に説明しています。メーカーが異なるカメラではそのカメラメーカーの名称に読み替えてください。

前置きが長くなりましたが当店がお勧めする運動会撮影時のカメラの設定についてご紹介します。カメラの設定はどのような写真を撮影したいか、で大きく変わりますが初心者の方はどのような写真が撮りたいか?と聞かれても困りますよね。逆にお持ちのカメラでどのような写真が撮れるの?という疑問のほうが強いのかと思います。

そこで当店が考える初心者の方向けの運動会撮影時のカメラの設定をご紹介いたします。

撮影モードは?

設定の狙い:動きがある被写体に対し、しっかりとピントが合った写真を撮影するためにシャッタースピードを上げて撮影します。

シャッタースピード優先(Tv)に設定しましょう。シャッタースピードの設定値によって撮れる写真が変わります。動きがある徒競走(リレー)等はシャッタースピードを早く、動きが無いものは標準くらいの数値にします。

  • 徒競走:1/1000秒くらいに設定します。
  • 標準:1/125秒~1/250秒くらいです。
  • 感度(ISO):オート

※上記設定は日中、屋外で明るいケースの場合です。屋内や少し暗い日は感度とのバランスを見ながら決定します。この撮影モードはシャッタースピードを自分で決定すると絞りと感度が自動で設定されます。感度の数値を見ながらシャッタースピードを調整するのが良いと思います。撮りたい構図でシャッターを半押しするとその場のカメラで測光した絞りと感度が表示されます。絞りはF4を目安に感度の数値を確認します。感度はカメラの性能や個人により許容できる数値が変わりますが、今の段階では上限1600~3200くらいを目安にしてみましょう。

※運動会という大切なイベントにぶっつけ本番、というのはちょっと不安ですので本番前に少しテストと練習をされることをお勧めします。公園等でお子様に走ってもらい、撮影の練習をしておきましょう。この時、感度が3200くらいに上がるよう、シャッタースピードを早く設定し、撮影して画像をパソコンで撮影し、画像を確認します。
感度を上げていくと撮影画像にノイズが目立つようになります。ノイズが気にならない、又はここまでは許容できるという範囲をチェックします。よく分からない場合は3200くらいを目安にして、段々とわかるようになってきた段階で自分の許容値を把握するのが良いと思います。

今回は動きがある被写体にピントを合わせて撮影することを狙いとしましたが、流し撮り(被写体にピントを合わせつつ、背景を流す)が狙いの場合はカメラの設定も変わってきます。どういう写真が撮りたいかを考え、カメラを設定してみると良いと思います。

フォーカスポイント(AFフレーム)の設定

この設定、結構重要です。

フォーカスポイント(AFフレーム)とはピントをどこに合わせるかを決める点です。カメラを覗くと下の写真のような点があると思います。いくつかあるこの点の中のどこにピントを合わせるか、という設定です。

フォーカスポイント

通常、この設定は自動になっていると思います。自動ですと運動会などでは人がたくさんいますので思わぬところにピントが合ってしまうことが多々あります。

徒競走(リレー)でゴール前の瞬間を撮ろうと思ったら隣の子供にピントが合ってしまう、とか撮りたいお子さんが2番目でピントが1番目の子供に合ってしまった、とかが想定される失敗のケースです。徒競走(リレー)ではシャッターチャンスは一瞬です。ピントを合わせ直す時間は無いのでできればフォーカスポイントは固定を使ってみましょう。

お勧めの使い方はフォーカスポイントの中央ど真ん中を使用します。顔に合わせたい、という方は上を使っても良いのですが、使用するフォーカスポイントによってフォーカスの精度が変わるカメラもあるので中央を使うのが無難です。

またピントは被写体の顔ではなく、撮る構図によっては被写体のお腹等に合わせて撮影しても問題ないと思います。まずは真ん中で練習し、ピントが甘い、とかしっくりこないようであれば違うポイントの使用を検討するのが良いかと思います。

AFフレームの設定方法(キヤノンのサイト)

AF(オートフォーカス)の設定

オートフォーカス(自動ピント調整)の中にもいくつかモードがあります。動体を撮影するにはAIサーボAFがお勧めですが、運動会では動体と動かない被写体の両方を撮影するのでAIフォーカスがお勧めです。以下キヤノンのサイトに例が出ていますので参考にしてみてください。

キヤノンのオートフォーカス機能のサイト

設定方法はカメラによって変わると思いますのでカメラのマニュアル等をご覧ください。

AFモード切替方法(キヤノンのサイト)

合わせて親指フォーカスの機能を使用すると便利です。親指フォーカスについては下の記事をご覧ください。

親指フォーカスって知っていますか?

連写の設定

シャッターの設定で1枚と連写を選択できるモードがあります。ここは迷わず連写にし、たくさんの画像を撮影しましょう。運動会の、特に徒競走(リレー)ではシャッターチャンスは一瞬です。撮れる限り連写で数多く撮影しましょう。

EOS Kissのシャッター設定方法(キヤノンのサイト)

その他

運動会でよい写真を撮影するためには以下の点も大切です。

被写体の目印となるものを事前によく確認しておきましょう。たくさんの子供がいるので例え自分の子供でも、遠くからカメラを覗いた状態で被写体を探すのは大変です。靴の色や靴下の色を事前に確認しておきましょう。リボンや何か目印になるワンポイントを付けられるなら付けておくのも良いと思います。

  • プログラム進行、被写体の登場順序やリレーのコースと会場のコース順等をよく確認しておく。
  • 撮影場所を探しておく。たくさんの人が撮影しますので譲り合いながら、撮りたい場所を探しておきます。

カメラのバッテリーやメモリーカード等、何枚くらい撮影できるかを事前に把握しておきましょう。連写でたくさん撮影したらメモリーが一杯になり撮影できなくなった、というようなこが無いよう、事前に確認しておくことをお勧めいたします。

ステップアップした撮影

今回は自動でしか撮影したことが無い方を対象とした設定例をご説明しましたが設定を変えることで次のような撮影も可能です。

  1. 被写体にピントを合わせ、背景をボカして撮影したい。
    →背景をぼかすには絞りを開放して撮影します。カメラの撮影モードをAv(絞り優先)にするとコントロールしやすいかと思います。
    背景をぼかす方法(キヤノンサイト)
  2. 徒競争(リレー)で被写体にピントを合わせ、背景が流れるように撮影したい。
    →流し撮り、と言われる撮影方法です。Tv(シャッタースピード優先)でシャッタースピードを遅め(1/60秒前後)に設定し、被写体にピントを合わせたらカメラを被写体に合わせて動かしながらシャッターを切ります。そうすると被写体にピントが合い、背景が流れるような動きがある写真が撮影できます。流し撮りをするにはある程度練習が必要と思います。撮影に安全な場所を探し、走っている電車や車などを被写体に練習すると良いと思います。
    キヤノン、流し撮りのコツ(キヤノンのサイト)

今回の記事はこれで終了となります。一眼レフを買ったけどオートでしか使ったことがない、という方が違う設定での撮影方法もあることをご理解いただき、より楽しい撮影ができるためのお役に立てれば、と思いこの記事をアップしました。少しでも皆様の参考にしていただければ幸いです。